レスパイトとは?介護するために知っておきたいこと!

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レスパイトとは?介護するために知っておきたいこと!

 

2022年、総人口に占める高齢者人口は29.1%になりました。約3割が高齢者ということになります。これに伴い家族の介護をする人口も増加しています。

特に30~50代という結婚出産、仕事で役職がつくなど人生の大きなイベントを迎える年代の介護者が増加しています。“親の介護は専業主婦の長男の嫁“というのは一昔前のお話です。

今回は「レスパイト」に着目します。初めてお聞きになる方も多いかもしれません。「レスパイト」とは『小休止』『ひと休み』『息抜き』という意味です。

医療での「レスパイト」は介護者と介護が必要な方、双方の休息という意味合いがあります。一般的にはレスパイト入院、ショートステイなどまとまった期間の泊りで、自宅ではない場所で過ごされます。

訪問看護とレスパイト?と思われるかもしれませんね。ここではレスパイトについて、訪問看護でどう家族支援しているのかなどをお伝えします。

目次

レスパイトケア

 

ここで言うレスパイトとは介護にあたる家族が一時的に介護から解放されるように、代理の機関や公的サービスが一時的に介護を担うことで、家族と本人がリフレッシュできる期間を作る支援のことをいいます。

レスパイトのタイプ

 

●レスパイト入院

医療保険を利用する入院をレスパイト入院と言います(介護家族支援短期入院)

ショートステイでは対応困難なケース(医療ケアが必要など)で医療保険適応の方が利用されることが多いです。具体的には

・神経難病     
・終末期の方
・気管切開している
・経口摂取困難で経管栄養や静脈栄養が必要

など、あとはデイサービスでは対応困難と断られてしまった場合…でしょうか。

期間は病院のルールによりよりますが、5~7日間が多いですが、相談すれば対応してくださると思います。主治医からの紹介状、訪問看護を利用していれば、看護サマリーも必要になります。

●ショートステイ

ショートステイ対応の施設に短期入所するイメージです。1泊から最大30日間お願いすることができ、介護保険を利用します。ショートステイの空き状況にもよるので、計画的に施設に入所し、日常の健康管理や入浴、見守り、食事提供などのサービスを介護のプロから受けられます。

期間が最長30日とまとまったレスパイトケアが受けられるため、一定期間介護から解放されるという高いレスパイト効果が得られます。

●デイサービス・デイケア

1日ごとのサービスで、介護保険を利用します。毎日通う方、決まった曜日に通う方などさまざまで、朝自宅にお迎えが来て、入浴と昼食、レクリエーションやリハビリを受けて夕方自宅に送り届けてくれます。

デイサービスとデイケアの違いは、デイサービスは利用者さんが自宅で自立した日常生活を送ることができるように支援するもので日常生活の介護を中心で、デイケアは身体機能回復・維持、認知機能の改善など医療的ケアを受けられます。

短期間とはいえ介護から離れる時間ができることがメリットになります。

●時間単位のレスパイト

介護保険を使い自宅に訪問してもらい決められた時間内で希望するサービスを受けるものになります。

ホームヘルパー(身体介護、生活支援)

身体介護:おむつ交換などの排泄介助、着替えや入浴、食事、体位変換、移動介助など
生活支援:調理や洗濯、掃除など家事など

訪問入浴

専門業者が浴槽を自宅に持参し入浴サービスが受けられます。必ず看護師が同行し3名のチームで訪問してくれます。清拭だけではリラックスできない方が多く、湯船に浸かれることは利用者様にとっては至福の時のようです。

訪問リハビリテーション

医師の指示のもと理学療法士や作業療法士などの専門職が自宅に訪問しリハビリテーションを行うもので、病院で行うリハビリテーションとは異なり生活に密着した指導ができることが特徴です。機能維持を目的、または自宅で生活していくための身体の使い方のコツなどを指導してくれます。残存機能が維持されること、コツがわかることは介護される方の負担軽減につながります。

訪問看護

医師の指示のもと看護師が自宅に訪問し、療養上のお世話やアドバイスを行います。症状の観察はもちろん、清潔ケアや食事介助、口腔ケアに医療処置を行います。

自費訪問看護サービスでレスパイト

 

おおまかにタイプ別にご説明しましたが、介護保険で行うサービスでは十分とは言えません。デイサービスは日曜日がお休みのところが多いですし、急遽予定が入りショートステイを利用できないケースもあります。

実は、ショートステイなど“施設は絶対いや“と拒否される方も多いのです。家族としてはデイサービスやショートステイを利用してくれたらありがたいのに…と悩まれている方も多いです。こういった場合は訪問してくれるサービスを利用しますが、休日の対応や長時間のサービスが難しいため、困り果てるケースがあります。

自費の訪問看護であれば介護保険に縛られることがないため時間制限がなく柔軟に対応できます。特に医療処置が必要な方や、状態変化に対応しなければならない方など、看護師が対応することで安心できるのではないでしょうか。

まとめ

 

たまには推しのコンサートに。ゆっくり美容院に。久しぶりの同窓会に参加したり。諦めることが当たり前だったこと、断ることが当たり前だったこと、自分が我慢すればと思っている方。

在宅療養は、介護をする家族のケアをおろそかにしてはいけません。介護される方が安らかに在宅療養を送れるのは、介護してくださる家族がいるからに他なりません。介護をする家族が潰れてしまう前に、時々息抜きする機会をつくり、豊かに生活を送ることが介護される方の喜びでもあると思います。