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終末期医療を考える

先日、「神様のカルテ」を読みました。これは映画やドラマにもなり話題となった作品ですが、私はなぜかそのタイミングでこの本を手に取ることはありませんでした。今回読んでみようと思ったきっかけは、私と同世代の女性宅に週1回訪問に行くのですが、その方が「神様のカルテが好き」と教えてくれたからでした。医療者あるあるではないかと思うのですが、医療の裏事情もわかっているが故に、“そんなことある訳ない“”つじつま合ってないよね?“のように少し冷めた感情で読んでしまうため、心から楽しめないと読み渋りをしていました。

読んでみて、感想は「読んでよかった」の一言です。そして、「このタイミングでよかった」と言う気持ちです。在宅医療に携わる前は、終末期医療とは無縁の現場にいました。今実際に終末期医療に携わるようになった状態でこの本に出会えたことをうれしく思います。

目次

看護師としての立場から終末期医療を考える

 

終末期看護

看護師は「全人的苦痛緩和」「意思決定支援」「悲嘆ケア」「チーム医療推進」「組織体制整備」の5つの概念の定義に基づき対応しています。

ん?だから、何をやっているの?という感じですよね。

全人的苦痛の緩和

患者、家族のQOLを維持するために、症状緩和、情報提供、環境調整を実践する

意思決定支援

患者、家族の意思を治療やケアに反映させるために、現状理解の促進、関係者間の調整を実践する

悲嘆のケア

患者、家族の急性の悲嘆経過を支えるために、感情表出の促進やニーズの充足などを実践する

チーム医療促進

多職種と連携し最善の色湯を提供するために、看護師間および医療チーム内の調整やコンフリクトを解消する

組織体制整備

看護管理者が直接ケアと医療チームを促進するために、医療。看護チームを支援し人材と環境を整える

ふむふむ。。。もっとかみ砕くと

終末期ケアは「ガン末期の患者さんに対して、治療が望めない時期のケア」で、ガン患者に対して、苦痛を与える延命治療を中止して、人間らしく死を迎えるためのケアと言えます。

さらに終末期ケアはガン末期に限らず、対象疾患はとくに決められていません。

似た言葉に「緩和ケア」があります。WHOでは、「緩和ケアとは、生命を脅かす病に関連する問題に直面している患者とその家族のQOLを、痛みやその他の身体的・心理社会的・スピリチュアルな問題を早期に見出し的確に評価を行い対応することで、苦痛を予防し和らげることを通して向上させるアプローチである」と言っています。

要は、治療によって改善が見込めない場合や、本人、家族が延命治療を望んでいない場合に、苦痛を緩和できるように医師やその他の医療従事者とチームとなり連携を図り、患者の身体的苦痛や心理的不安等に寄り添う。また家族の不安に寄り添い、日々のケアの負担が減るように支え、旅立ちまでと、その後の悲嘆を最小限にできるように関わることです。

在宅医療に関わる看護師として

 

一昔前の、「病院でやれる治療がないから自宅に帰る」のではなく、今は自宅で最期を迎えたいと望んで在宅療養を希望される方がほとんどです。そこに至るまでに、一所懸命治療に励んだ方もいれば初めからそう決めていた方など、思いはさまざまです。受け入れる家族の覚悟も必要です。療養者中心の生活が始まり、私たち訪問看護師もですが、ヘルパーなど家に出入りする人が増え家族も気を遣う毎日が始まります。このようなストレスを減らすように、看護師が訪問する時間こそ家族の休息の時間にしてもらえるよう気を配る必要があります。

また、患者の疾患と身体状態から予後予測をします。この場合の予後予測は生命予後になりますが、この予測は極めて重要になります。もちろん予測なので必ずではありませんし、医師でも預言者でもないので、さまざまな指標をもとに予測します。予測するメリットとしては、前もって患者や家族から治療に対する意向を確認することができます。痛みが強いときはどうして欲しいのか、経口摂取ができなくなったらどうするのか、眠れなくなったら、せん妄が出現したら、など。

早く確認しすぎてもイメージがわかず本当の気持ちを聞くことはできませんし、状況が変わるごとに気持ちも変わります。そのため、その事象が起こる少し前、きちんと準備ができるタイミングで確認していきます。あと、患者や家族が起こる症状に対し心の準備ができ受け入れやすくなります。

さらに用いられる薬物でおこる副作用も考慮する必要があります。

他には、現状を正しく判断し、関わる医療従事者と情報を共有し、必要な福祉用具を手配し、マッサージなどリラクゼーションを取り入れることも可能です。また、医師からは予指示(あらかじめ指示をもらっておくこと)を出してもらうように働きかけることもできます。予指示があることで前もって薬剤を自宅に置いておくことができ、夜間に緊急で呼ばれた時も迅速に対応できます。

予後予測することは、患者が旅立つその時まで、苦痛を最小限にし、家族との時間を大切に、QOLをより充実したものにできるのです。

終末期看護に携わる看護師としての心構え

 

終末期看護に携わる看護師は、「死」と向き合う患者やその家族のケアが大事な役割です。「死」に対しての感情はさまざまです。全員が「死」を受け入れ、穏やかに過ごしているわけではありません。看護師として報われない虚しさを感じることもあります。最期を迎える患者と家族に寄り添う個々の強さも必要と思います。

人生の最期の時間を共有させていただくためには、どこまで寄り添えるか、看護師として医療技術だけではなく人としての資質を問われる難しい環境であることを理解し、患者の意思を後世に繋いでいく役割があることも念頭に置き、携わる必要があると思っています。